数年ぶりの低成長が景気の軟化を示唆
米国の雇用統計によると、12月の新規雇用はたったの5万人増にとどまり、予想を大きく下回る結果となりました。これは、COVID-19パンデミック以降で最も低い年間雇用増加数となり、2024年の2百万件の雇用創出と比べて大きく鈍化しています。労働市場の勢いが著しく落ちていることを示しています。
2025年の年間雇用状況はさらに懸念材料です。総雇用数はわずか58万4千件にとどまり、前年と比べて大きく減少しています。労働経済学者は、今後さらに雇用統計の下方修正が予想されており、実際の弱さは現在の数字よりももっと深刻かもしれないと警告しています。
失業率はわずかに低下も、労働市場の緊張感は高まる
雇用の伸びが鈍い中でも、12月の失業率は4.4%に下がりました。ただし、このわずかな改善は、労働市場の脆弱さを隠すものです。労働省(BLS)は、第三四半期の雇用増加見積もりを下方修正し、市場に大きな動揺と政策対応を引き起こしました。
経済学者たちは、労働市場がほぼ停滞していると指摘し、ある分析者は「実質的に新しい雇用はほとんど生まれていない」と述べています。失業率は歴史的には低い水準にありますが、最新のデータでは4.6%に上昇し、4年ぶりの高水準となっています。
米連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き下げ継続が予想される
この弱い雇用データは、今後のFRBの金融政策に大きな影響を与える見込みです。アナリストは、2026年初頭に金利をさらに引き下げる可能性が高いと予測しており、1〜3回の追加利下げが見込まれています。政策担当者は、景気の軟化を支援するために金利を調整し続けると考えられています。
実際、過去3回の会合では25ベーシスポイントずつ金利を引き下げており、市場の予想では次の利下げは2026年6月まで行われない可能性が高いです。ただし、雇用統計の悪化により、金利引き下げのタイミングが早まる可能性もあります。インフレの懸念と労働市場の弱さのバランスをとる必要があります。
経済成長の見通しは控えめ、労働市場の課題にもかかわらず
労働市場の弱さにもかかわらず、経済学者たちは2026年の景気後退は回避できると見ています。経済協力開発機構(OECD)は実質GDP成長率を1.5%と予測し、JPモルガンも同年の成長率を1.8%と見込んでいます。景気は、成長促進の財政政策や企業の健全な財務状況、堅調な消費支出に支えられていますが、成長は控えめになる見込みです。
特に、GDPの約70%を占める個人消費は2026年の動向を左右します。インフレが最近の高水準から低下する中、消費者は実質所得のわずかな増加を期待でき、引き続き支出を維持できる可能性があります。ただし、地政学的リスクや貿易摩擦により、家庭の貯蓄率が高まる可能性もあります。
インフレ動向と政策の不確実性
インフレは引き続き政策の大きな課題です。11月の総合インフレ率は2.7%、コアインフレは2.6%に低下し、2021年3月以来の最低水準となりました。ただし、貿易や移民政策の変化により、2026年初頭にインフレが再び上昇する可能性も指摘されています。
FRBは、2026年末までにコアPCEインフレ率を2.4%に抑える見込みですが、現状の2.8%からの低下を示しています。とはいえ、金融政策の不確実性により、年後半にインフレが再び高まるリスクもあり、FRBの今後の方針に影響を与える可能性があります。
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